THE IDOLM@STER 朝焼けは黄金色 感想 -Return to Origin-
はじめに
先日、KeyP(@Key_CKCp)さんがWebで配信されている「KeyPの部屋」でAngel Beats!の話をさせて頂きました。
更にその際に「THE IDOLM@STER 朝焼けは黄金色」という漫画のダイマを頂きました。主催のKeyPさんと一緒に出演させていただいたゲストの葦村さんから熱烈なダイマを受けた結果その翌日には楽天ブックスで購入していました。 読んだ際に呼び起こされた感情が「原点」だったので、ちょっとそのへんを整理したいと思います。
※今回の記事は自分語りのみで構成されております。苦手な方はブラウザバックを…
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朝焼けは黄金色について
THE IDOLM@STERシリーズにおける765プロダクションの事務員、音無小鳥さんの過去を描いたスピンオフ作品。
登場初期のゲームはあまり把握していませんが、アニメ21話の中で高木社長に連れられたバーで小鳥さんが歌を披露する。そしてその中で高木社長、黒井社長、善澤さんが会話をする例のシーンで暗示していた過去を描きなおしたサイドストーリーです。 既刊3巻と求めやすいので是非。
朝焼けは黄金色 THE IDOLM@STER: 1 (REXコミックス)
- 作者:まな,髙橋 龍也,BNEI/PROJECT iM@S
- 発売日: 2018/07/27
- メディア: Kindle版
ストーリーとしては、アイドルに憧れる「普通の」女子高生である小鳥さんがAS時空より少し若い高木社長と出会うところから始まります。
ここで重要なのは小鳥さんのお母さん、音無琴美さんは若かりし頃の高木社長と黒井社長のプロデュースを受けた元アイドルであるという設定です。しかも、琴美さんは既に病気で亡くなってしまっています。亡き母の面影を追う小鳥さんと、過去の出来事を引きずる高木社長が出会い、過去への扉が開かれます。様々なところで描かれてきた高木社長と黒井社長の確執のその根幹となる出来事、思想の違いの原点が見えてきます。
高木社長:「各アイドルのそれぞれの魅力を引き出し、育てる」
黒井社長:「各方面が連携した体制を作り上げ、アイドルを"プロデュース"する」
どちらも良いアイドルを育てるという観点で見れば正しいよなあ……と思いますし、個人的には仕事としてプロデュースするなら、黒井社長と同じように各方面との連携を取って、体制をしっかりと作ってアイドルを支えてあげたいと思います。伝え方が厳しいですが、彼は彼なりにアイドルを支えてあげたいと思っているのでしょう(本当に伝え方はどうかと思いますが)。その一端もこの作品から読み取ることが出来ます。
さて、高木社長は765プロを立ち上げることになるため、恐らくですが高木社長のこの思想は、アイドルマスターシリーズの原点になると思います。
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原点?
話が変わりますが、私のオタクとしての原点は「Angel Beats!」です。
Angel Beats!について語りだすと長くなるので割愛しますが、本当に良い作品ですし、同世代の人でABからサブカルコンテンツにハマる事になった人が多いです。 私もその一人で、Angel Beats!という作品で初めてリアルタイムで視聴し、ハマって、追いかけて、考察を行い、CDを買い、Blu-ray BOXを買いました。 とりあえず見てほしい。
この作品に出会ったからこそ、今でもアニメを見たり漫画を読んだりゲームしたりという今のライフスタイルがあると思っています。 そのような意味で
「自分から能動的に歩き出した原点」=「自分の生き方が変わった」
ターニングポイントに当たるのがAngel Beats!です。
ただ「原点」には、ターニングポイントとはまた異なる、もう一つ、 「世界への扉を開いた原点」 というものもあると思います。 サブカルコンテンツを知る、初めての作品。
そのような意味での私の原点は、「コードギアス反逆のルルーシュ」になります。
見たきっかけは、中学3年生の時に受験対策で行っていた塾の帰り道に友人から毎日のようにダイマを受けたことです。 当時、アニメは月曜19時のブラックジャック、結界師、名探偵コナンと日朝のポケモンぐらいしか知りませんでした。 夏期講習でほぼ毎日塾に行っていたのですが、その帰り道に毎日毎日コードギアスについて彼は語るのです。設定、キャラクター、戦術、メカデザイン……。語り尽くせないというように彼は帰り道の数十分、ずっとギアスの話をし、時にはコンビニに寄ってアイスを食べながらギアスの話を聞きました。
初めは全く興味なかったのですが、徐々に興味が出てきたので借りて視聴しました。面白かったです。そしてそこから徐々にサブカルコンテンツへのめり込むことになります。まだ見ていない人がいればぜひ見て欲しい。
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なぜ興味が湧いたのか?
時が経ちアイマスにハマって、ライブに行くようになってから、それまでと比べ物にならないほどに私のオタク交流関係は広がりました。 その中で気づいたことがあります。
私は好きなものを語る人の目が好きです。
純粋に「楽しい」「面白い」「熱い」「エモい」というポジティブな感情を持つ人が話すことってだいたい面白そうに見えるじゃないですか。語り口の中にその熱や感情が乗って、こちらに伝わってくるような、あの表情が好きです。
さて、朝焼けは黄金色では昔の高木社長のプロデュース姿勢について垣間見えるシーンがたくさんあります。 特に彼は「いつも」「自分の夢を」「きらきらと輝く目で」担当アイドルに向けて語っているようです。 そしてその目を見た彼の担当アイドルはアイドルとしての夢を持つに至ります。 「人から人へ、時代から時代へ、夢や想いを繋いでいくアイドルになりたい」と。
これは「たくさんの人の中から」「原石のような子を見つけ出して」「磨き上げた」、高木社長のプロデュースの結果です。
高木社長の想いはその担当アイドルに伝わり、そしてその担当アイドルはその次の誰かへ想いを伝えていく、普遍的で不変的な流れがここにあります。
コンテンツを作る人、アーティストやクリエイターが「大好き」を詰め込んだ作品はやっぱり伝わります。例えその詰め込み方がおかしくても「公式が病気」としてイジられながら愛されると思います。もちろん個人の趣味嗜好が合わないことはありますが……。
「人々はあなたが愛していない製品を愛することはない。あなたがそれを愛していなければ、彼らはきっとそれを感じ、そのことを嗅ぎつける。」
by スティーブ・ウォズニアック(Apple共同設立者)
- 作者:ロベルト・ベルガンティ
- 発売日: 2017/07/11
- メディア: Kindle版
この言葉。本当にその通りだと思います。 若干否定的な言葉に聞こえますが、逆にシンプルに言うと「愛は伝わる」ということだと思います。 引用元の突破するデザインはウォズニアックさんの話をする本ではないのですが、すごく良い本なので良かったら読んでください。
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楽しいよね。オタク話
自分の趣味の話がなんで楽しいのかって、やっぱり好きなものを語るからだと思います。 そして同じオタクとの話がなんで楽しいって、文脈を揃える必要が無いからだと思います。
文脈を揃える必要が無い、というのは、コンテンツに対する知識だけでなく、言い回し、言葉といった前提となっている基盤が共通化されていることを指します。親世代に対してネットミームで話したら通じない、同世代であっても知らない人には構文を使っては誤解が生じる。 日々の生活で当たり前に使い分けていますが、完璧にこなすことは出来ません。これは本当に難しいことです。
前提となっている基盤が揃っていると、何も考えずに話しても気持ちが伝わるし共感してもらえて楽しい。
じゃあそれだけで本当に良いのか?
他の人と話すときにたまに起こるのが、
「あれ?それ俺知らんわ」
ということです。解釈違いのこともありますし、そのストーリーに触れていないだけかもしれないし理由は様々なのですが、昔の漫画やアニメ、ゲームのように一本道のゲームではなく、マルチエンディングや莫大な量のテキストやカードを一定の確率でのみ提供するスタイルになったことで生じたものだと思います。
ここから、同じオタクの中でもしっかりと筋道立てて前提の共有をした上で話すということが徐々に重要なのではないかと考えました。 まず自分が楽しいと思っていること、愛していること、それを伝えて繋いでいくこと。そのために前提の共有をすること。
あれ?これって……
研究発表と同じなのでは?(狂気)
アイマス学会というイベントフォーマットに惹かれたのはこのような背景からです。一番初めアニメに興味がなかった私が、塾帰りに友人から影響されてICMAS2020という場を作るまでに至った背景です。
私はアイドルにはなれませんが、高木社長、765プロダクションのプロデュース論、ひいてはアイドルマスターシリーズのゲーム性に惹かれています。これからも色んな方法で「大好きだ」という想いを伝えられたらと思います。
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おわりに
朝焼けは黄金色でアイドルマスターの原点に触れ、自分の原点に思いを馳せる、そんな週末の始まりでした。 文中で筋道立ててって言ってるのに文脈がグチャグチャになるので、国語力を鍛えたいと思います。